維話§初めてのウィーン[6]ノルトゼーにて

[承前]

というわけでウィーンに来て初めての“外食”に挑戦するのだが、ど
こで何を食べるものか、さっぱり見当がつかずにケルントナー通りを
闇雲に歩いていると、表に写真の入ったメニューを置いてあるファス
トフードの店の前を通りかかった。店内を見ると昼時とて、なかなか
な繁盛の様子である。

まあ、最初だから気楽に食えそうなものをと、メニューの写真を見渡
すと、丸くて薄く延ばしたフライがあった。それで“ははあ、これが
かのウィンナ・シュニッツェルだな”とあたりをつけて注文した。

テーブルにやってきた揚げ物に、さーてとばかりナイフを入れて一口
放り込むと・・・白身魚のフライだったのである。それで落ち着いて
店内を見回してみたらこれが……

NORDSEE

……“ノルトゼー”なる、シーフードのファストフードだったのだ。
あっさりとした味だったのはともかく、その大きさにいつまでも減っ
てくれず、しまいに味の単調さに飽きてしまったという記憶がある。
それでちょっと落胆して店を出たのだった。

食後の散歩と洒落込んで、歌劇場の裏手から王宮の手前にある、国立
劇場連盟チケット発売センターに行ってみた。といってもどういう感
じなのかを見たかったというだけ。表に出ようとしたら、付属の建物
でエルニ・クニーペルト(Erni Kniepert) という舞台衣装のデザイナ
ーの展示が行なわれていたので、無料ということもありちょいと覗い
てきた。

彼女については後で知ったことだが、カラヤンが指揮してシュヴァル
ツコプフが歌ったザルツブルクの『ばらの騎士』の衣装デザインを担
当していたのである。
                            [続く]

【去年の今日】膝話§民放テレビにスポイルされるスポーツ

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