維話§初めてのウィーン[10]こうもり(中)

[承前]

序曲が終わって幕が開くとアイゼンシュタインの家の居間。外からは
ロザリンデのボーイフレンドであるアルフレードの能天気な歌声が聞
こえてくる。

もちろんこの時に名前を知ったホプファーヴィーザーは、アルフレー
ドの“スペシャリスト”のようで、その後もあちらこちらの舞台で見
かけることになった。といったところで小間使いのアデーレ登場……

でアデーレを歌うグルベローヴァに、いきなりのカウンターパンチを
くらって腰を抜かしたのである。日本公演の『ナクソス島のアリアド
ネ』は華麗にスルーしてしまったので、この時が初めてのグルベロ体
験になったのだが、いきなりの一声でエイトカウントのノックダウン
を喫してしまった。

それにしても何という自在なコロラチューラであろうかと思った。声
のコントロールが完璧で、同じ立ち位置で歌っていながら音量の変化
で遠近感まで表現しちゃっているということに驚いてしまった。いき
なり“超”がつく一流の歌手の凄さを思い知ることになったのだ。

……で腰を抜かしたままでは休憩時間に軽く1杯ができんではないか
と、また金魚の糞となってお酒を呑みに行くのである。そして平土間
左側にあるビュッフェにて、生まれて初めてのゼクト体験をしたので
あった。同時に公演の休憩時における初めての飲酒体験となったのだ
が……これは紛うことなき“極楽”ではないかと思ったのである。
                            [続く]

【去年の今日】僕話§雪かきをやってみると

この記事へのコメント

2009年02月07日 03:17
フム、フム、若き日の Edita Gruberova を聴いた直後の Sekt ですか。どこか共通点があるような。ああ、幸せな出会い。(^_^)
2009年02月07日 11:42
いきなりトップクラスを聴いてしまったか
らこそ、これまでオペラを観続けられたの
だろうと思います。これが、お座なりでど
うってことのない上演とかだったら、ああ
そんなものかで終わっていたかもしれませ
んね。

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