駿話§仏造れども魂入られず

カザルスホールが解体されるということを書いた。書いている時はそ
うでもなかったが、書き終わる頃には複雑で虚しい思いがぐるぐると
渦巻いて収拾がつかなくなりそうになってしまった。

書きたいことはけっこうたくさんあるが、何をどのように書いても、
カザルスホールの状況について後追いするばかりで、自分の傍観者的
立場を厚く糊塗していくだけなのである。

今さらながらだが、およそコンサートホールを建てても使用料収入に
よって黒字になってくれるわけではない。そういう話を聞いたのは、
サントリホールが開場するあたりに時の佐治社長が語っていたことで
これはもう腹を括って文化事業を行なっていき、本業の利益でもって
補填していくしかないのだ。

ある意味歯を食いしばっての“やせ我慢”をしないと、私企業であれ
自治体であれ、文化事業を継続することなどできない相談なのだ。

残念ながらカザルスホールの最初の所有者は、自らが建てたホールを
15年という短い時間で他者に譲るしかなくなってしまった。そうなっ
た瞬間に、元々ホールが持っていたであろう理念は消滅する運命にあ
ったのである。

と、再びだらだらと繰言を書いてしまったが、来年の4月で閉館する
のであるなら、お名残に一度か二度は聴きに行こうかと思っている。

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