維話§初めてのウィーン[15]ウィーンの元旦

[承前]

ニューイヤーコンサートがはねて、表に出たのが13時過ぎだったか。
さすがに腹が減ってきたのでケルントナー通り方向に向かい、ドロテ
ウム(オークションハウス)の通りあたりかと記憶しているが“ブカレ
スト”という店名のレストランに入った。元旦ということで開いてい
るレストランを探すのに苦労した記憶があるのだ。

そこでまあ適当にというか頼んで出てきたのがトマト味のビーフシチ
ューとでもいったもので、これならばというくらい食べやすく味もま
あまあだった。頼んだのは白ワイン4分の1リットル。これもウィー
ンに来る時に“アイン・フィアテル”と言うのだと覚えておいたのが
役に立ったりもしている。……このところの旅行では、ビールばかり
呑んでいたのだが、去年は珍しく何回かワインに走ることがあり、注
文する時にひょいと口から・・・

Ein viertel, bitte.

と20年ぶりのボキャブラリーが出てきたのには我ながら自分の記憶力
に感心したのだった。

それはさて置き、ウィーンに滞在していて、この日なってようやくま
ともなレストランで食事をしたということである。『こうもり』初日
に行く時には、開演前にオペラハウス近くのソーセージ・スタンドで
ホットドッグ――けっこうおいしい――にかぶりついたりしたという
あまりほめられない食生活なのであった。

この日の夜は国立歌劇場で『こうもり』の二度目である。
                            [続く]

【去年の今日】週話§土日短信~コーヒー豆~

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