維話§初めてのウィーン[18]ホイリゲだ(下)

[承前]

それで勇躍2軒目に突入したところで、前の店では何も食べずだった
ことを思い出し、ショーケースに行ってサラダ類とかを頼んで出して
もらったのだ。

それで案の定というか、2軒目ですっかり腰を落ち着けてしまった。
おまけに似たような年齢の現地人がおもしろがって話しかけてきた。
あちらもこちらもずいぶんとご機嫌になりかかってきていて、相手は
英語が話せなさそうで、ドイツ語でまくし立ててくるのを何もわから
ずニコニコと受け流すのである。

そのうちに相手も言葉が通じないということを酔った頭で理解したの
かどうか、突然“ホンダ!”“カヴァ(ワ)サキ!”“ヤマハ!”と、
おそらく彼の趣味か何かであるバイクメーカーの名前を連呼しだした
のである。それにしても何が何だか訳がわからない状況になっていき
気がつけば市電の最終発車も近づいていることが、酔眼朦朧した頭で
も理解できていた。

結局、1軒目で4分の1リットルを1杯、2軒目で2杯……合計して
0.75リットルを呑んだわけで、そりゃあウィーンが踊っているように
見えたのも無理はない。

市電に乗った後は記憶があまり残っていない。まあ終点から終点まで
乗ればいいから気楽ではあった。ショッテントーアでホテル前まで行
く市電に乗り換えた時に、双塔のヴォティーフ教会のライトアップし
た様子が印象的だったというくらいである。
                            [続く]

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