芒話§ハンマークラヴィーアを聴いても

ベートーヴェンのピアノソナタの録音を聴く機会は多いが、第29番の
いわゆる“ハンマークラヴィーア”を聴き通すということがなかなか
できないままでいる。

それこそ“2楽章”まではまあどうってことはない。問題はワタシ的
にダラダラと演奏される第3楽章で、いまだ断片的にしか記憶に残っ
てはいない。

とにかく“つかみどころ”とか“とっかかり”とかを見つけられずに
ぼーっと聴いていると、何やら間延びしたブラームスの第4交響曲の
冒頭のフレーズみたいなのが、くどくどくどくどと展開されるし、そ
れでと思っている刹那、再び意識が途切れてしまうのである。

だから終楽章のけったいなフーガも持て余してしまい、辛うじてとい
う程度で巨大なトリル音塊に活を入れられておしまい……というのが
いつもの変わらぬ鑑賞の流れなのだ。

この曲の実演を聴いたのは2回、最初は1974年のクリストフ・エッシ
ェンバッハの日比谷公会堂(!)で、もう一回は1990年代後半だったか
マウリツィオ・ポリーニがサントリーホールで演奏した時。

エッシェンバッハの時は『月光』とか『悲愴』くらいしか聴いていな
かったので敢え無く惨敗。ポリーニは彼の巨大な音楽を前にして、あ
っさり返り討ちに遭ってしまったのだった。

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