顕話§ミュンヘン一週間[6]到着から一夜

[承前]

一夜明けたミュンヘンは……寒いではないか。この時宿泊したホテル
は朝食を食べるところが上階にある。窓際に座っていたら、窓が開い
ていたこともあって、注文したコーヒーがどんどん冷めていくのだ。

朝食の内容は実に充実していて、何を食べようかと眼が眩んで迷うほ
どだったりした。まだ丸パンの2個くらいは食べられたのでけっこう
満足していた記憶はある。

それでもって肌寒のミュンヘンの街へと食後の散歩に出かけた。歩く
こと10分足らずで国立歌劇場の前に立った。これから一週間のお楽し
みを提供してくれる場所である。

名所観光には時間を割かないくせに、歌劇場の建物とかはけっこう飽
かず眺めたりしている。相変わらず巨大な建物だ、とかなんとか話を
しながら歌劇場の裏手あたりまで歩いてきた。するとホテル・フィア
ヤーレスツァイテンの方から当時の音楽監督であるヴォルフガンク・
サヴァリッシュ氏が歩いてくるのに気がついた。

早足で歌劇場の裏手の扉の鍵を開けて中へと入っていったのだったが
その間10秒ほど……音楽家の職業としての日常の一面を垣間見たよう
な気がしたのだ。
                            [続く]

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