週話§気まぐれ週末~かくも美しき五月~

シューマンの歌曲集『詩人の恋』の一曲目のタイトルである。詩を書
いたのはハインリヒ・ハイネ。

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
Da ist in meinem Herzen
Die Liebe aufgegangen.

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Vögel sangen,
Da hab ich ihr gestanden
Mein Sehnen und Verlangen.

             Heinrich Heine

とても美しい五月
蕾という蕾が一斉にほころぶ
まさにそんな季節
僕の心の中に恋が芽生えた

とても美しい五月
鳥という鳥が一斉にさえずる
まさにそんな季節
僕の憧れと思いを彼女に告白した


~wunderschön~

は“かくも美しき”とか何とか訳される。昔聞いた話だが、ハイネの
造語であるのだという。事実であるならば、詩人の造語力には本当に
驚かされる。

今時の軽薄な言葉に移すなら“超きれい!”とでもというのは乱暴に
過ぎるのはもちろん承知しているが、あるいは当時の人間もハイネの
作った新しい言葉を見て拒否反応を起こしたかもしれないと想像する
ことも可能なことではなかろうか。

新しい表現には拒否反応がつきまとってくる。

【去年の今日】劇話§『新薄雪物語』と『影のない女』

付記:“ハイネの造語”とは書いたが、もう何十年も前に聞きかじっ
ただけの話で、ソースも見つからないし確かなことではない。勘違い
で鵜呑みにしているだけなので、そのあたりをご存知の方はいらっし
ゃいますか?

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