響話§ルービンシュタインのショパン

中学か高校の頃、友達の家でルービンシュタインが弾いているショパ
ンの選集の録音を聴いた。英雄ポロネーズとか子犬のワルツ、幻想即
興曲といったお好みアルバムである。

それが初めて聴いたショパンということになる。それから長い間ルー
ビンシュタインへの空白が訪れた。

いつもいつもマリア・ジョアン・ピリスのノクターン全集ばかりでは
飽きるだろうと思って、ルービンシュタインのノクターン全集を買っ
てきた。

それで聴いたみたのだが……どうも具合が悪い。何というか“温い”
のである。ピリスの尖った粒立ちのピアノの音に慣れてしまったので
物足りなく感じてしまったのだ。

顕著な演奏としては1曲目の9-1なんかがそうだ。ピリスの演奏を
聴いていると、ピアノの音が“ダイヤモンドダスト”のようにキラキ
ラ輝きながら降り注ぐ様をイメージしてしまうのだが、ルービンシュ
タインのピアノの音色は、どうも鈍いのである。個人的な好みでは、
粒立ちのくっきりした音色が好きで“、逆にもふもふ”としたような
音は好みではない。

録音の差異と言えなくもないだろうが、演奏家の芸風の時代性なるも
のもありそうな気がするのだった。あるいは自分自身の嗜好が変わっ
て、ルービンシュタインに回帰することがあるかもしれない。

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