拜話§バイロイト初詣[17]バンベルク

[承前]

繰り返しになるが、『ワルキューレ』『ジークフリート』『神々の黄
昏』の間には一日づつの休みがあり、いくらワーグナー好きであって
も、なんとなく息抜きになっているのではと思うのである。

まだまだ元気だった18年前、一日の休みを利用してバンベルク観光に
出かけた。朝の9時過ぎにバイロイトを出発、列車を乗り継いで11時
過ぎにはバンベルクに着いた。

列車の中の検札でおもしろかったことが一つ。車掌が我々の持ってい
た切符の行き先“Bamberg”を見て言った言葉が……

バンベル

……だった。語尾の“G”は“ク”か“ヒ”と発音するが、日本人の
思い込みで勝手な使い分けで、だから自分にとっては“バンベルク”
だったわけだが、バンベルヒと発音してもいいのだなと思ったのであ
った。というわけでバンベルクに到着。今は世界遺産となっている旧
市街へは歩いて20分ほど。

バンベルク小旅行の目的は、シュレンケルラで樽出し“燻製ビール”
を呑むというものだったが、この日のバンベルクは何やらなお祭りだ
ったようで、人出も多く雑然としていて、酒場探しをあっさりと諦め
て通りのベンチとテーブルに腰掛けて焼きソーセージで普通のビール
のジョッキを傾けるに留まってしまった。それに旧市街もそれほどの
時間をかけて巡るという規模でもなかったので、ちょいとばかり時間
を持て余してしまったというのが正直なところ。

これは返す返すも残念なことで、それ以来今に至るまでバンベルクを
再訪できないままなのである。燻製ビールだが、何度か瓶入りで楽し
んではいるが、ここはやはり樽生をグビりといきたいものだと、その
“いつか”を楽しみにしている。

あまり遅くない夕方バンベルクの駅に戻り、フランケンの風景の中を
ジーゼルカーに揺られてバイロイトに帰り着いたのである。
                            [続く]

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