拜話§バイロイト初詣[28]ヴェローナ散歩

[承前]

嵐の夜が明けた翌朝はすっきりと晴れ上がり、夜21時開演の『リゴレ
ット』まではたっぷりと時間があるのだった。

それで前日の公演中止になったチケットを払い戻してもらいがてら、
円形競技場まで歩いていった。夜歩いた時はわからなかったが、アレ
ーナまでの行き道はけっこうな商店街と市場もあったりして、賑やか
な通りばかりだったのだ。それにしても道幅が狭いなあ。

おまけに、イタリア語が皆目な我々でも商店のウィンドーに麗々しく
“サルディ”と貼ってある、その意味するとことが何なのか……先に
目ざとく気がついたのは同居人のほうである。

というわけで――どういうわけだ?――我々も夏の終わりのバーゲン
セール・イタリア編に参戦することになってしまった。イタリアだか
ら靴だろうと、そこそこの店構えの靴屋に入った。ずいぶんと前に書
いているが、足のサイズが24cmという我が身にしてみると、海外旅行
で靴を買うことなど考えられなかったりする。

それでもとりあえずはと入ってみた。ひょっとして少し洒落た黒の革
靴でもないかと思ったのである。それでイメージに合う靴が見つかり
問題のサイズはというと……あったのだ。

実はというかひそかに期待できた大きな理由があって、前日にアレー
ナを出入りした時に、周囲にいるイタリア人男性達の身長がそう高く
ないことに気がついたのである。それでもしかして靴のサイズも合う
ものあるんじゃないの、などと思ったのだった。革の質もよく、しか
も値段も安い。ああ革製品の世界なのだなとしみじみ。

同居人もカジュアルなのを一足と、それに夜が更けるにつれて冷え込
む野外オペラの防寒対策にケープを一枚・・・サルディ様様だった。
                            [続く]

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