顧話§追想・若杉弘[Ⅲ]マーラー

[承前]

若杉弘と都響が2年にわたってサントリーホールでマーラー・チクル
スを行なったのは1989年から1990年にかけてのこと。第一回の5番を
聴きに行けなかった以外、残りはすべて聴いている。

もっとも、マーラーを積極的に聴いてこなかったから、その罪滅ぼし
にという意味合いと“お勉強”ということも含めてのマーラー鑑賞で
あったが、これが何を聴いたのかきれいさっぱり忘れている。特に、
3、6、7、9番といったあたりは見事なほど忘れている。その後、
そんな4曲を演奏会で聴いたかというと……。せいぜい栄養剤のCM
のバックに6番の冒頭が流れているのを聴いたくらい。

それほどに自分とマーラーの縁遠さを思い返している。

それにしてもと、マーラーの交響曲に同時代のシェーンベルクやウェ
ーベルン、ツェムリンスキーの曲を組み合わせるという、若杉弘の卓
越したプロデュース能力に感心したチクルスだった。
                            [続く]

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