響話§『七つの封印を有する書』体験[Ⅲ]

[承前]

ホルンがC-D-G-Fという印象的なモチーフを吹いて音楽が始ま
った・・・のはいいが、およそ弦楽器群の演奏が聴き取れないのだ。
我々の座った席は礼拝用の木製長椅子の7列目くらい。礼拝席と祭壇
の間にも、10列ほどの普通の椅子を追加して並べている。だから“舞
台”からは意外と離れているようだった。

↓こんな雰囲気で聴く"Das Buch mit sieben Siegeln"は・・・
画像

そういうこともあってか、オーケストラの音色の特徴が完全に殺され
てしまったように感じたのである。それとは別に、合唱は印象的に美
しく響いて聴こえた。もちろんオルガン――カール・リヒターも頻繁
に演奏していた
――の響きも感動的にすばらしいものだった。

ところが我々の位置からはオーケストラの響きが遠くで鳴っているか
のようにオフになってしまったのだった。後で現地の人と話した時、
長椅子に座ったと言ったら“もっと前の普通の椅子で聞くのだ”と教
えられたが、後の祭りである。座席表によれば、座った席は正面の緑
色のエリアの前寄りだったが“1”の位置がベターらしいのだ。

“2、3、4、5”の座席は会堂の両翼にあたる。想像だがその両翼
空間で音が滞留してしまうのではなかろうかということなのである。

なので、この実演を堪能できたわけではない。それに、響きを生かす
ためか演奏のテンポが遅めになって、間延びした印象になってしまっ
た。通常110分程度で演奏されるのが120分近くなってしまった
ので、聴き終わった後はすっかり疲れてしまった。休憩はなし。

音楽が終わった直後にバジリカの鐘がゆったりと鳴り始めた。舞台も
客席もしばしその響きを聴くのだった。響きが消えた後は、開演と同
じく拍手することなく終演となり、聴衆も三々五々会堂を去っていっ
たのだ。
                            [続く]

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