拜話§バイロイト初詣[33]ヴェローナ雑感

[承前]

ヴェローナを去る前日には、散歩がてら中央駅まで行ってミラノまで
のチケットを購入した。旧市街の外に駅はあって、そのあたりは道幅
が広い。広いのはいいが何となく殺伐とした印象も少しばかりある。

駅から旧市街にゆらりゆらりと戻り、アレーナのあたりで喉の渇きを
癒さんと、適当にカフェを選んでパラソルの下に陣取った。同居人は
パフェを頼み、イタリアだからとカンパリソーダを注文した。

道行く人達を眺めながらのティータイムは、慌しくもあった2週間の
記憶を穏やかに甦らせつつ、ゆっくりとした旅の時間を醸し出すので
ある。

仕事のあれこれに追われる日常とはまったく違う世界に身を委ねると
いうことの面映さといったようなものを、パラソルの下で呑気な顔を
してお茶をしている東洋人が感じているなど、異国の通行人達が知る
由などあるわけがないだろう。

一休みにも飽きてまた散歩。サルディたけなわの商店街を通り過ぎて
“エルベ広場”という市場のあるエリアに行き着いた。そのすぐ近く
に“ジュリエットの家”がある。家の中に入る気はないので、門をく
ぐって中庭からロメオと愛の言葉を交わしたバルコニーを見ただけで
引き返した。

この日の昼食は、エルベ広場の屋台で買ったピザ――まずい!――と
フライドポテトである。それ以外にもおやつにジェラートをなめたり
バールでエスプレッソを立ち呑みしたり。その時、地元民がエスプレ
ッソにスプーン山盛りの砂糖をぶち込む様子を見たのである。
                            [続く]

《イタリアのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック