板話§八月納涼大歌舞伎第三部

いつもだったら電車で往復する歌舞伎座だが、日曜で夜の部の時は、
車で往復することがある。併設しているパーキングに入れられればラ
ッキーだし、帰りも首都高にすぐ入れて話が早い。

午後も早めに出かけたので首都高もスムーズに運転できて1時間ほど
で到着。そして目論んでいたとおり、無事に歌舞伎座のパーキングに
車を預けることができた。というわけで納涼歌舞伎の第三部である。

一本目に、谷崎潤一郎が書いた『お国と五平』という一時間足らずの
芝居。これは谷崎らしい執拗な粘着質と不条理が絡み合った心理劇と
でもいえる登場人物が3人しか出てこない、それこそ納涼らしくない
重い出し物。臆病者の居直りが理屈にならない理屈で二人の仇討ちを
翻弄するのだった。時代劇仕立てではあったが、現代にも通じる不思
議なストーリーだが……疲れた。

勘三郎四役早替りの『怪談乳房榎』は、前回よりも刈り込んでいて、
少し物足りない部分もありはした。この日の客の反応はというと、早
替りに素直に驚く部分と、早替りする直前の勘三郎の台詞に反応して
しまって、それはそれで正直な反応なのだろうとは思うのだが、そう
すると早替りばかりが目に立って芝居のほうがおろそかになりはしな
いかなどと考える。

幕開きしての茶店の場面、小山三が茶店の老婆で登場したところで拍
手。福助が「今年が卒寿……」というところで盛大な拍手。つくづく
幸せな役者人生だと、こちらまで幸せな気分にさせられたのである。

21時ちょっと過ぎには終演。さっと車をピックアップして、首都高を
東から西へ疾走、22時前には帰宅できたのだった。

《歌舞伎のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック