拜話§バイロイト初詣[30]リゴレット

[承前]

あれこれ歩き、そこそこ収穫のあったヴェローナでの二日目も、よう
やく夜に向かっていって、お待ちかねの野外オペラは『リゴレット』
である。

ホテルが取ってくれたチケットだから平土間である。ほぼ真ん中あた
りの位置だからカテゴリーとしては2番目くらいか。

一幕の舞台装置だが、我々が今まさにいるヴェローナの円形競技場の
外観になっていて、本来のマントヴァであるというわけではないのだ
が、こういうのも野外オペラならではのスペクタクルな“趣向”だと
言えるだろうか。

それで実は『リゴレット』を観るのはこの時が始めてだったりする。
オペラ鑑賞歴が11年といったところでバイロイト詣などしたものだか
ら、ワーグナーはもちろんのこと、他のオペラで未見なものが山のよ
うにあったのは当然である。

ところで『リゴレット』一番の名アリア“女心の唄”だが、これまで
聴いた実演では様々な瑕があって満足した記憶がない。この時もマン
トヴァ公がロングトーンを伸ばした後のオーケストラの締めがずれま
くってのずっこけものだったりと肝腎なところで間抜けな気分にさせ
られてしまった。ちなみに指揮者と歌手は以下のとおり。

指揮:アントン・グァダーニョ
演出:シルヴァーノ・ブゾッティ

マントヴァ公:サルヴァトーレ・フィジケラ
リゴレット:シルヴァーノ・カローリ
ジルダ:アリダ・フェルラリーニ
スパラフチーレ:マリオ・ルペーリ


知っていた歌手はリゴレットを歌ったカローリくらい。彼が1981年の
スカラ日本公演『オテロ』でイァーゴを歌ったのを聴いているのだ。
公演はダブルキャスト――トリプルもあり――で、レオ・ヌッチがメ
インのリゴレットだった。マリエッラ・デヴィーアがジルダを受け持
っていたりもしていた。
                            [続く]

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