饒話§三島由紀夫三十九年・・・

今年は暦の巡り合わせで11月25日が水曜日となり、1970年と同じ並び
になったのである。

三島由紀夫が市ヶ谷の高台で命を落として、まもなく39年が経とうと
している。その当時、彼の著作を一冊も読んでいなかった田舎の高校
生にから見た三島は、時折“制服”姿でテレビを賑わすだけの存在と
しか見えず、それほどの小説家であるなどとは思ってもいなかった。

長じて、ようやく少しずつ三島の作品に触れるようになった。そこで
彼の小説の力に驚くことになる。とはいっても読解力などたかが知れ
ているわけで、彼の文章をどれほど読み取れているかというと、はな
はだ頼りないことになる。

……というか、あの濃厚な流れには乗り切れることはないのだ。読み
始めて数ページも読むと、自分自身のあっさりした即物的な体質と相
容れなくなってくるのだ。それでも、ともかく乗りかかった船だから
と最後まで読むことは読むのだが、結局は体の中で未消化の滞留物と
なり、そのまま消化不良を起こして体外に排出されてしまうのだ。

読後のすっきり感がないというのが、それを如実に物語っているわけ
なのである。

【去年の今日】憬話§このたびの旅[54]クス・クァルテット

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