才話§モーツァルト 弦楽四重奏曲第15番

ハイドン・セット唯一の短調である。初期にもう一曲だけ短調の曲が
あるくらい。

ではあるが、この15番(ニ短調 Kv.421)もまたモーツァルトの短調の
表情を余すところなく聴かせてくれる。この曲を初めて聴いたのは、
スメタナ弦楽四重奏団のコンサート。アンコールでメヌエット楽章が
演奏されて腰が抜けるほどびっくりした。

もう30年以上も前のことだから、モーツァルトをどれだけ聴いてい
たか、それすらも怪しいという頃のこと。それでしばらくしてアマデ
ウスQのLPを買って聴き始めたらやめられなくなったのだ。

“モーツァルトの短調”が、何とも独特に聴こえるのだということを
40番の交響曲や20番のピアノ協奏曲を聴くよりも先に思い知らされた
のである。

特に変奏形式で書かれた終楽章の重い歩みを締めくくる悲痛なまでに
伸ばされた弦楽器4本のの終止の先には何があるのだろうか……。

《クラシックのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック