懐話§昭和三十年代~舗装道路~

[承前]

昭和40年代になるかならぬかの頃、我が郷里の街から少しでも郊外に
出ると、舗装道路は途切れ、凸凹の砂利道のままだったのだ。

要するに市街地を出てしまうと砂利道ということで、自動車にしても
それほど走り回っていたわけでもなく、のんびりとしたものだった。
ちょっと遠出ということでバスを利用するが、砂利道に乗り入れると
一気に状況が険悪になる。

当時のサスペンションなどいいわけもなく、下手に隣と話でもしよう
ものなら、はずみで舌を噛んでもおかしくなかったりしたくらい。

だからというわけであったかどうか、小学校の頃の日帰りバス旅行は
“車酔い”が続出するのが当たり前だった。砂利道だから窓を開ける
と砂埃が入ってくるので閉めざるを得ず、当然ながらエアコンなども
ついてはいない……ということで車酔いなど珍しくも何ともなかった
という時代である。

おおよその記憶であるが、砂利道が少なくなったと思ったのは、東京
オリンピックが終わった翌年あたりで、それははっきりと覚えている
のだ。少なくとも我が田舎を走っていた主要国道は、ようやく舗装が
完了しつつあったというところ。それでも、途切れ途切れに凸凹道が
出現してはガタゴトと揺すぶられるのであった。

付け加えるなら、そんな凸凹道の砂埃に入り交じってのお約束こそが
かぐわしい“田舎の香水”であったりもしたのだ。
                            [続く]

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この記事へのコメント

Slow Cafe
2010年03月23日 09:18
東京オリンムピックを境に高度成長・高品質かがすすで日本中が都会(東京)の延長になってしまいましたものね。出来れうれば『田舎の香水』の香るような環境がもう少し増えても良いと思うのですが無理でしょうね…。
HIDAMARI
2010年03月23日 17:18
田舎の香水については次回の心だ~

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