棒話§ダニエル・バレンボイム[Ⅰ]

たぶんおそらく、これまでで一番実演回数を聴いたことの多い指揮者
であることは間違いないだろう。というわけで少しばかりダニエル・
バレンボイムについてまとめようと思う。

だが、彼を最初に聴いたのは指揮ではなくて、1987年のミュンヘン、
ディートリヒ・フィッシャー・ディスカウのピアノ伴奏としてであっ
た。歌われたのはシューマンの『詩人の恋』とハイネが作詩したほう
の『リーダークライス』というもの。

……ドイツリートがどういうものか、さらにはピアノ伴奏はどういう
ものか、そんなことも知らずに聴いていたから記憶などあるはずもな
い。

だから、たった一度だけしか聴いたことのないバレンボイムのピアノ
がどうだったのか、論評することができないのである。記憶にあるの
は、聴いたのが3列目くらいだったので彼がペダルをドッシンバッタ
ンと踏みつけていたということくらいなのだ。

というわけで初めて彼の指揮に接したのは1991年、ピットが覆われて
指揮姿を見ることのできないバイロイト祝祭劇場でのことだった。と
いうわけで思い出話を少しずつ……。
                            [続く]

《クラシックのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック