装話§我が家に油絵は飾れるか・・・

我が家の壁を飾っているのは、ヨーロッパ17世紀前半の銅版画製の都
市図である。いわゆる“鳥瞰図”と呼ばれる類のものなのだ。

集めだして20年とちょっとであるが、集めるというにはいささか大げ
さだったりする程度のもの。ドイツの骨董版画の店に出向いては、数
年に一枚とかのペースで見つけ出した都市図が5枚。その他に、19世
紀半ばあたりの小ぶりな風景版画が4枚ある。

油絵を飾ろうと考えたことは一度もない。いくら小さいものであって
も油絵のボリュームは、一枚で10畳ほどの居間のスペースを満たして
しまうような気がするのだ。それに、仮に気に入った油絵があったと
して、おそらく我が家の版画全点の値段を軽々と超えてしまうことだ
ろう。

その点、モノクロームの版画の類は何枚かを飾っても、油絵のような
くどさなど感じずに済んでいる。家の中を飾るにしても、版画で統一
したおかげで佇まいが“そういうもの”という感じで醸し出されるよ
うになってくれた。

それに加えて、いくつかの木彫りを壁に掛け、それで我が家のインテ
リアが成立している。

我々が物足りないと感じることのひとつに、我が家を訪ねてきたお客
さんの反応がほとんどないことがある。ドイツあたりで訪問者は、そ
の家のインテリアが大きな話題のひとつになるのだが、日本ではそう
いうことを聞いてはいけないような意識でもあるのだろうか。

こういうことから会話がはずんでいくのに……とは、同居人の素朴な
感情なのである。

【去年の今日】ブ話§二千八百話を通過して

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