ひだまりのお話

アクセスカウンタ

zoom RSS 棒話§ダニエル・バレンボイム[V]

<<   作成日時 : 2010/04/15 00:00   >>

トラックバック 0 / コメント 0

[承前]

バレンボイムの“凄味”を思い知ったのは、1997年にバイロイト再訪
した時の『トリスタンとイゾルデ』である。

同居人は、このハイナー・ミュラーが演出した舞台が観たい観たいと
願い続けていた。1993年に新演出上演された舞台を、5年目にしてよ
うやく観ることができた。好評だったためか、一年空けた1999年にも
再演されたが、観れなくなるところであった。

第一幕の前奏曲からバレンボイムの緩みのない棒は静謐な舞台を濃密
に彩るのは、バレンボイムの噎せ返るごとくのワーグナー。

・・・こういうのは、舞台の展開がどうであるとか頭で考え考え理屈
で聴くものなどではなく、ひたすら耽溺していくしかないのだ。そう
いう意味では、無機質で抑制された動きのミュラー演出の舞台と渾然
一体になっていたのだ。

おまけにトリスタンのジークフリート・イェルザレム、イゾルデのワ
ルトラウト・マイヤー、クルヴェナールのファルク・シュトゥルック
マン、マルケ王のマティアス・ヘレといった、姿も見るに耐える歌い
手が、ヨージ・ヤマモトの禁欲的な衣装で身を包んでいるのである。

ああ……これほど完成度の高い音楽と舞台に、この先立ち会うことが
あるのだろうかと思った。それもこれも、まずはバレンボイムが指揮
したワーグナーの音楽にある。

その代わりというわけではないが、不思議なことに、同じ時に聴いた
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、いささか気の抜けた音
楽になってしまっていた。これは前も書いているのだが、どうもマイ
スタージンガーとバイロイトのオペピットからのアコースティックの
相性が悪いということと関係があるものかどうか。

付記:ハイナー・ミュラー演出の『トリスタンとイゾルデ』はDVD
映像で観ることができる。

                            [続く]

憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
     
棒話§ダニエル・バレンボイム[V] ひだまりのお話/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる