儀話§歌舞伎はお辞儀~外国人の視点~

西洋芸術のオペラを先に観始めて、我が国の伝統芸能である歌舞伎を
後回しにしてしまったことは後悔している。ただ、歌舞伎とオペラと
視点を二つ持てたということは幸運だと思っている。

そんな二つの視点を持ったからというわけではないが、西洋人が歌舞
伎を見ていて“これは奇妙だ”と感じるであろうあることに気がつい
た。

時代物と世話物の別なく、歌舞伎の舞台では頻繁に“お辞儀”をして
いるということなのだ。とにかく何かというとお辞儀をしていること
に気がついた。西洋人からしたら、あれでストーリーが進行している
のだろうかとすら思っているかもしれない。

例えば『勧進帳』である。揚幕から義経に続いて弁慶と四天王が登場
したと思うと、もうお辞儀である。義経の「いかに弁慶」で、弁慶が
ははーっとお辞儀……。幕切れでは、ほっと安堵した弁慶の七三での
礼まで、舞台上で延べ何回お辞儀が繰り返されるのだろう。

これこそ端的に日本というものを象徴化して見せているのではないか
そんな風に思うのである。歌舞伎を観始めた頃は感じなかったのだが
2、3年ほど前に、ふと“そういえばお辞儀……”と思ったら、日本
人ながら気になってしまったということなのだ。

それじゃあと西洋芸術のオペラで顕著に見える動作が何かというと、
ちょっと思いつかない。

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