両話§相撲の立会い~ある歌手の見方~

ある“女性歌手”が、相撲について話していたことの又聞きである。
聞いたのは30年以上前のこと。

彼女が言うことには、国技館の桟敷で初めて相撲を観ていた時に、そ
れこそどういう段取りで相撲が始まるのすらわからずに観ていたのだ
った。それで彼女が観察した結果は以下のとおりである。

・・・力士が土俵に上がっても最初のうちはぐずぐずしてばかりで、
なかなか取組もうとしない。勝負をしたくないのか、二度三度と東西
に分かれてしまう。これは何だとイライラしているうちに、いい加減
客が“焦れて”きたのか、いい加減に立て!とばかりに大きな拍手で
勝負を催促するのだった。それで渋々と見合っての勝負になった。

……とかいう内容の話だったと記憶しているが、なるほど相撲の約束
事を知らないと、こういう考えをするのだなと思った。彼女は、土俵
下に控えている勝負審判の一人が時計係であるということを知らなか
ったのである。

見ていればわかるが、時計係の審判が軽く右手を上げたところで行事
がうなずき、東西に塩を取りに戻った力士に呼出しがタオルを渡すと
いう一連の流れで、観客にも時間が来たのだとわかる仕掛けになって
いるのだ。

ことほどさように、約束事を知らない人の見方は実にユニークである
というか頓珍漢であるという、そんなお話でした。

追記:その女性歌手は『百万本のバラ』とか『知床旅情』のヒット曲
を歌っていたりします。

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