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zoom RSS 石話§新国立劇場『影のない女』〜乳母

<<   作成日時 : 2010/05/25 00:00   >>

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これまでに観た『影のない女』は、1984年ハンブルク国立歌劇場来日
公演(日本初演)、1992年ミュンヘン国立歌劇場日本公演で2回、最も
近々が2003年の暮にベルリン・ドイツオペラというもの。

日本で“カイコバート”のモチーフが鳴り響くのは18年ぶりというこ
とになる。

欲を言えばキリはないが、まずもってオーケストラは大健闘と言って
いいのではなかろうか。それこそオケのリハーサルなしで本番やって
いるドレスデンとかウィーンのような色気は望めなかったが、緊張が
切れることなくシュトラウスの複雑怪奇な音楽を紡ぎ続けたのだ。

それと5人の歌手が揃ったこと。これなくしては『影のない女』は成
立しない。特に3人の女性歌手がきっちりと歌ってくれたことで舞台
が締まった。バイロイト生まれで音楽祭にも出演しているラルフ・ル
ーカスのバラクは、彼の声がキャラクターに合っていたと感じた。

ちょっとなあと思ったのは舞台装置。象徴的な家並と石が積み上げら
れた高い壁……それらが場面場面で入れ換えられていくのだが、いさ
さか能がないというか、筋とか内容からして難解なこの作品を語るに
は中途半端というのは否めなかった。あの装置でストーリーが理解で
きるとは思えない。

思えば……歌舞伎の舞台技巧を駆使した猿之助演出によるミュンヘン
版だが、少なくとも舞台設定は理解しやすかったという記憶である。
2回、3回と違った演出で観ても、今回の幕切れのとってつけたよう
な状況は、演出家が持て余してしまったような印象さえ受けるのだ。

加えて、一番の狂言回しになるべきはずの乳母の動きに物足りなさが
残った。それこそ“術遣い”なわけだし、全体が“”抗えない“超”
な世界の話と人間の世界との関わりが核の一つなのだから、ある種の
荒唐無稽さがほしかったというのが正直な感想なのである。舞台にお
いて、人間と人間ならざる存在との垣根の低さという部分にも不満が
残った。
                            [続く]

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R.シュトラウス「影のない女」op.65
<新製作プレミエ> 2010年5月20日(木)17:00/新国立劇場 ...続きを見る
オペラの夜
2010/06/05 10:37

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めて訪問させていただきます。
記事を興味深く読ませていただきました。作品を深く理解されているのに感服いたしました。いろいろ勉強になりました。私も新国立劇場でR.シュトラウスの「影のない女」を鑑賞してきました。私も初めての作品でしたが、音楽の構成力も含めて魅力ある作品に感じました。
私の感想などをブログに書きましたので是非読んでみてください。
よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。
何でも気軽に書き込んでください。
dezire
2010/06/02 15:49
コメントをありがとうございます。

いつものことながら、テキストをまじめに読まないまま実演を観てしまうので、どれほど把握しているものかと自分でも思っています。ただ同じ演目を5回くらい観ると、何か見えてくるものはあるようです。
HIDAMARI
2010/06/03 12:43

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