粗話§ブブゼラ~ハーゲンの角笛~

南アフリカ名物のブブゼラ――ヴヴゼラ(Vuvuzela)――をワールドカ
ップの中継で聞きながらどこか引っかかるものがあった。それで、頭の
中をクルクルと検索していたら、ひょいと何であるのか思い到った。

『神々の黄昏』第二幕でハーゲンが、ギービヒの軍勢を召集する時の
角笛の咆哮である・・・まさにそっくりではないか。

あの部分を聴いていると、どんな録音でも――当たり前だが――アナ
ーキーな暴力性のようなものを感じ取ってしまうのだ。よもやワーグ
ナーがブブゼラの凄まじい音を聞いたわけではあるまい。

ワーグナーがイメージしたのは、おそらく狩の時の猟師たちが吹き鳴
らして獲物を追い詰めていく角笛といったあたりではないだろうか。

いずれにしても、神々のあの部分には音楽性というよりも奏者が楽譜
とは関係なく、いわば思い思いに吹いている不規則性を感じるのだ。

それにしてもブブゼラはうるさい。もう一つ思い出したのは、真夏の
林の中でアブラゼミが大量かつ盛大に鳴きまくっている様子である。
聞きながら一人で暑がっているのだった。

ところで、FIFAのブラッター会長は、うるさいからといって“ブブゼ
ラ禁止”はしないと言明している。……せいぜいテレビ中継の音声担
当者は、会場の音声を超絞りめにしてくださいまし。

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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