連話§ワタシの酒肴[40]しゃぶしゃぶ

[承前]

このところ食べるのはもっぱら豚しゃぶである。我が家では亭主が横
着なので、食卓で肉を“しゃぶしゃぶ”しない。キッチンでしゃぶし
ゃぶした肉を、たっぷりの茹でモヤシの上にのせて持ってくるのだ。

それをポン酢醤油で、もふもふといただく段取りなのである。他の人
は知らないが、しゃぶしゃぶはご飯のおかずにはならない。きっぱり
なってくれないのである。

だからご飯を食べる時に、しゃぶしゃぶは食べ終わっていなくてはな
らない。そういう意味でしゃぶしゃぶは酒肴としてのステイタスを確
立していると言えるだろう。

ではあるが、今ひとつインパクトに欠けるなあというのもまた本音。
どうやら本能的に、油の抜けた肉なるものに不信感を抱いているよう
な節がある。もちろん量を食べるわけではないからそれなりの豚肉を
買ってきているのだが、あまりにあっさりと食べられてしまうので、
物足りなさが残るのもまた正直なところなのである。

つまり要するに、まだまだ焼肉みたいなのを欲しているということの
ようなのだ。しゃぶしゃぶはしゃぶしゃぶとして、もちろんおいしい
ということを踏まえて、まだもう少し焼肉にしがみついていたい……
そんなギリギリのお年頃でもあるようだ。
                            [続く]

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