態話§行儀の悪い小学生~どこでも~

[承前]

バイエルン放送交響楽団定期が終演になった直後、同居人はまっすぐ
一人の女性に向かって歩いていった。……この日の会場には10人ほど
の小学生の集団が教師に引率されて来ていた。で、そのうちの2人が
我々の横に座ったのである。

どこでも教師は事前に“静かに”と言い聞かせているわけだが、3年
生くらいでは数分も経たないうちに席でゴソゴソしだして隣の友達と
お喋りを始めてしまうのだ。

それで隣に座った同居人に愛敬を振りまいたりした揚句、同居人が注
意したところ睨み返したりという態度だったりで、明らかに大人をな
めているのだ。要するに性質の悪い招かざる客なわけである。

その始末の悪い子供だが、どうも家族とかがオーケストラの楽員と知
り合いらしく、それが自慢のようで得意がって舞い上がっている様子
も見て取れるわけで。

というわけで、彼女がまっしぐらに向かったのは引率の教師である。
最初は穏やかに“あなたが引率してきた子供達のおかげで集中力が損
なわれることしばしばだった”と言うと――案の定というか――“そ
れはどの子ですか?”から始まって理由にもならない言い訳に終始し
たのである。

もちろん欧米の人間が“謝らない”ということは聞き知っていたので
驚くことはないし、同居人も織り込み済みで話を続け、最後に“我々
は明日日本に帰るが、こういうことがあったことは忘れませんよ”と
付け加えてその場から去ったのだった。

洋の東西を問わず、公の場における子供に対する躾が不足してきてい
るように思うのだが、この時もまた問題は躾ける側だったりする。

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