生話§人生の残り時間~知りたくも~

『死神』という落語がある。詳しい筋はこちらを参照していただくと
して、死神に翻弄された男についてのブラックな噺である。

男が死神に連れて行かれたところは、たくさんのろうそくが点ってい
る洞窟で、自分の寿命のろうそくの残り少ないのにあわてた男は……
ということで、高座の噺家がばったり倒れるというオチになっている
のだ。

それじゃあ自分の寿命のろうそくが見たいかと聞かれたら、ちょっと
迷うだろう。見たいといえば見たくもありだが、見たくないというほ
うが強いような気がする。

死ぬとなったら死ぬしかないのはしかたがなく、そんな断末魔に及ん
で俗世への未練たらたらということはしたくもないが、そういうこと
とは別に、自分が死んだ後に自分の身近な人達がどうしているのかな
ということは興味がある。

当たり前に残念ながら既にこの世との接触が絶たれてしまった以上、
それを知るすべはない。俗世に対する未練とは、まったく別次元での
未練とでも言えるだろうか。消え入りそうなろうそくに、死神が……

・・・ああ 消える

【去年の今日】災話§台風来る 地震来る

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