曲話§飛行機の窓から・・・

飛行機の窓から、下界や雲の様子を眺めるのが好きだ。

成田を飛び立ってヨーロッパに向かう飛行機は、1時間足らずで日本
海に出ることが多い。それから2時間ほど飛ぶとユーラシア大陸で、
8時間以上というもの、ほとんど地面の上を飛ぶことになる。

というわけで時間を持て余すと、窓から下界の地形や雲を見てはあれ
これと想像をしてみるのだ。

見下ろしていて飽きないのはシベリアの上空で、地上に降り立ったら
どんな光景なんだろうと思わせるものが延々と続くのである。

それは……広大な草原というか湿原地帯を延々と複雑な経路をたどっ
て蛇行する川であったり、凍土地帯であったりするのか判然としない
が、氷雪に覆われた大地であったりする。

ひょいと見ると、そんな中に一筋の道路らしきものが走っていて、こ
んなところにという感じで集落――といっても、ほんの数戸――など
が存在しているのに気がつく。

別に鉱山施設のようなものがあるわけでも、畑のようなものが広がっ
ているわけでもなく、こんなところで彼らは何を生業にして生活して
いるのだろうかと考えてしまう……そんなシベリアのど真ん中の集落
なのだ。

ドイツに到着する直前、飛行機はバルト海に出て南下をしていくが、
ロシアを過ぎてフィンランドの海沿いを上空から眺めると、これがま
た複雑なる海岸線というか、ちょっと上からだけでは想像することが
難しい、そんな光景である。

かくしてドイツの上空にやって来ると、きちんと区画分けされた畑が
なだらかな起伏を越えて広がっている。そんな畑や森林の中に教会の
尖塔を中心にした集落が小宇宙のようにあちらこちらに点在するのが
見えてくるようになると、飛行機は徐々にフランクフルト、あるいは
ミュンヘンに向けて降下を始めるのだ。

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