羊話§古楽器演奏を聴き始めたのは

もう35年も前のことになる。何を聴いたかというと、エステルハージ
弦楽四重奏団が演奏するハイドンの太陽四重奏曲だった。一聴してこ
れはびっくり。

ガット弦による演奏を録音であっても初めて聴いた瞬間だったのだ。
それまで、例えばバッハのフルートソナタを演奏する場合、金属製の
モダンフルートにノイペルト製あたりのモダンチェンバロというのが
せいぜいだった。

そんな70年代、目に見える形でピリオド楽器の演奏が日本にも入って
くるようになったのである。とはいっても、折衷的な演奏も多くて、
カール・リヒターのブランデンブルク協奏曲などは、モダン楽器とリ
コーダーが共存していたりして時代を象徴してかのようである。

自らが最初に買った録音は、イェルク・デムスがハンマー・フリュー
ゲルを演奏してコレギウム・アウレウムと共演したモーツァルトのピ
アノ協奏曲だったが、後々までこの演奏が規範になったりもした。

古楽器演奏の実演を始めて聴いたというのがいつだったか。記憶をた
どると、どうも1980年頃に――なぜか――来日したニコラウス・アー
ノンクールとウィーン・コンツェントゥスムジクスだったということ
になるだろうか。

その後飛行機嫌いだか何だかわからないが、なかなか来日しなかった
というアーノンクール指揮でバッハの協奏曲などを聴いたのだが、こ
れがガラガラの客席の新宿文化センターで、どうにも寒々しかったと
いう記憶しかない。だから個人的には、来日しなくなったのはその時
のトラウマがあったのではと勘繰ったりもしていたのだ。

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