籠話§一宿一飯~旅行者に対して~

『ワルキューレ』第一幕で、逃げ込んでいたジークムントが敵だと知
ったフンディングが“今宵一晩は泊めてやるが、明日は戦う”と言い
捨てて自室に入っていくというシーンがある。

昔から西洋ではアジール(不可侵な場所)という考え方があって、助け
を求めて訪ねてきた人間を一晩は泊まらせてやるという約束があった
のだ。アジールについては様々な状況が考えられるが、とりあえずは
一番単純なことについて書いてみた。

同じような状況が日本だったらどうだろうかと考えると、侠客に対す
る一宿一飯とか、お遍路さんに対するもてなしのようなものは存在し
ている。お遍路さんへのもてなしは、キリスト教の聖地巡礼者に対し
ても似たような施しなどがされてはいる。

一見すると同じようなことだろうと思ってしまいそうな気はするのだ
が、学究的な比較の詳細まではわからないまま。

個人的に感じるのは、ドイツやオーストリアの特に田舎のペンション
のような宿泊施設の設備の清潔さとか快適さというものであるが、そ
れが昔からの旅行者に対するもてなしが行き着いたところなのだろう
と思うのである。

そういったことに関しては日本の宿泊施設、特に昔ながらの旅館であ
るとか民宿などは明らかに立ち遅れていると感じるのだ。これから先
日本に海外からの観光客を大量に呼び込もうという計画が動き始めて
いるが、まずもって宿泊施設の設備の向上マニュアルのようなものを
作って、客を受け入れる上での“見せ方”の工夫に努めていく必要が
あるだろう。

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