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zoom RSS 哀話§『盛綱陣屋』錦秋十月大歌舞伎

<<   作成日時 : 2010/10/26 00:00   >>

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新橋演舞場夜の部に行ってきた。

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仁左衛門の『近江源氏先陣館―盛綱陣屋』が、何といってもこの日の
白眉だった。いつもどおり線の細い体型ながら、舞台上の柄の大きさ
は惚れ惚れとするものがあった。タイプこそ違うが、最近の中では、
吉右衛門と双璧の盛綱であろう。

そんな盛綱に團十郎の和田兵衛秀盛、魁春の高綱妻篝火といった面々
が重厚に絡んでいく様は、久々に観た大歌舞伎の醍醐味なのだった。

そんな順調な芝居の途中に思わぬハプニングが起こったのだ。どうや
ら“電波”を発する女性が一階席で奇声を発し続けたのである。我々
は3階席てっぺんだったので、声以外の様子はわからず。1階席、2
階席のお客は様子が見えただろうから落ち着かなかったことだろう。

そんな事態に舞台上の面々は慌てもせず、何事もないかのように芝居
を続けるのだった。そんな様子に客席も平静になろうという意志が働
いたのか、客席の集中度も徐々に高まっていって災い転じて福と為す
という一幕になったのである。1階席でトラブルに見舞われた人達は
本当に不運だったと慮っている。

さて、三津五郎の『どんつく(神楽諷雲井曲毬)』は、團十郎に、左團
次、仁左衛門といった大看板も付き合っての華やかな踊り。油の乗り
切った三津五郎は、やはり歌舞伎一番の踊り手だろうと納得。息子の
巳之助はまだまだ先が長いぞと思ったわけで。

最後に『酒屋(艶容女舞衣)』が。お園の台詞“今頃は半七さん”は、
もう何十年も前に聞き知っていて、ようやく舞台に接することができ
たという、何とも息の長いことだと自分ながら苦笑した。ところで、
肝腎のお初見だが、日本語が理解できない外国人にしてみたら“泣い
てばかりの芝居”だと感じたことだろう。

かほどに――それこそ三分の二くらいは――泣いていたのであった。
それでまあ“ああ、こういう芝居だったのか”と思った次第。

ところで新橋演舞場……数は少ないながらも何回か歌舞伎を観たこと
はあったが、今回観てしみじみと歌舞伎座の存在感を思い知った。大
歌舞伎をするには、いかにも器が小さい。そりゃあ、台詞や義太夫は
3階席でもよく聞こえるのだが、その代わりツケ打ちの音がうるさか
ったりとバランスの悪さにも気がついたりした。我知らず内に歌舞伎
座の空間が沁みついていたのだった。

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