発話§同居人初めての独り旅[下]

[承前]

以下、ベルリンで再会するまでは同居人からの聴き書きになる。

とはいっても、最寄駅から新宿までと新宿からの成田エクスプレスで
は爆睡されていたようだ。当たり前だが、ターミナルも間違えること
もなくチェックインも無事に済んだところで電話をもらった。その後
全日空フランクフルト行き機上の人となったのだ。

席は非常口のすぐ横。ドアの関係で若干寒かったようだが、3席独占
という何ちゃってファーストクラスを楽しんだのである。そして全日
空の食事をほめることほめること。飛び立ってすぐの“昼食”には、
なんとシュリンプ・カレーが出されたのだ。機内食なので、もちろん
辛さは押さえられているが、同居人にしては珍しく完食し茶蕎麦まで
平らげてしまったということである。

かくして無事にフランクフルトに着いたが、一人でミュンヘン行きに
乗り継ぐにあたっては、正しい座席に座っていたにも関わらず、誤解
したドイツ女性との不本意なやり取りがあったりしたらしい。

無事ミュンヘンに到着し、タクシーでホテルにまで。料金を払ったと
ころで財布を車内に忘れるも、入れ代わりで乗った客に教えてもらっ
て事なきを得たという幸運もあった。ちなみに乗った客はオペラ歌手
だったが、誰だったのかは思い出せていない。

そして翌日、正味丸一日のミュンヘン滞在だが、昼時は昔からの知り
合いとランチを食べ、夜は無事に国立歌劇場で『ジゼル』を観ること
ができた。残念ながら傾斜の少ない平土間3列目という席で、前の男
性が邪魔になってしまったようだったのである。

翌朝、朝食を済ませた同居人は、タクシーでミュンヘン空港に向かっ
た。車中、運転手にどこに行くのかと聞かれた同居人が「ベルリン」
と答えると「ああ……バイエルンから、あのプロイセンに行くのか。
何とかわいそうなことよ」と呵呵大笑したというのだ。

とまあ、無事にベルリンのホテルにチェックインした頃、後発組は旅
程の半分ほどのシベリア上空を飛行していたのである。

この先、ベルリンで無事に合流を果たして以降は、すこしまとまった
旅行記として書き進めようと思う。
                            [続く]

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