共話§待降節独墺旅[11]RIAS室内合唱団

[承前]

これまた偶然に、RIAS室内合唱団創立50周年演奏会という機会に恵ま
れた。しかも演目はモンテヴェルディの『聖母マリアの晩課』で、お
まけにルネ・ヤーコプス指揮のベルリン古楽アカデミーという。まさ
に“何ということでしょう♪”な組み合わせではないか。

ベルリンに到着して3日目くらいだったか、コンサート予定表を眺め
ていて見つけたのだ。それで、公演の前日にベルリンの新しい絵画館
(後述予定)に出かけたついでにフィルハーモニーの前売所でチケット
を購入したのだった。

というわけで、長期旅行で何日かコンサートやオペラの予定が入って
いない日もあり、まぐれでこういうのがはまってくれたりするのだ。

さて50周年記念でもあるし、ヤーコプス御大でもあるしと、気合を入
れてフィルハーモニーに行ってみると、これがびっくりするほどの空
席だらけ。これなら併設されている小ホールでやってもいいくらいで
はという……ベルリンでは、古楽器による演奏会の集客状況がこんな
ものなのかどうか。

日本からフィルハーモニーに来る人のほとんどはベルリンフィル目当
てだろうから満員の客席を目にするだろう。というわけで、我々は世
にも珍しいガラガラのフィルハーモニーでコンサートを聴いたのであ
った。

それで演奏についてだが、聴いたことのない曲をいきなりの演奏会で
聴くのは無謀であるということがわかった。モンテヴェルディなど、
それ以前に『ポッペアの戴冠』の実演を観ているが、やっぱりわから
なかったわけで……。

コンサートが終わって表に出ると、暗くて寒々しい東西ベルリン境界
ということを実感するのだった。
                            [続く]

《クラシックのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック