共話§待降節独墺旅[15]国立歌劇場へ

[承前]

寒さに負けない身支度をしてホテルを出る。歩いて30秒ほどのところ
にバス停があり、そこから100番のバスに乗ると『ベルリン・天使
の詩』で有名になった“勝利の塔(ジーゲストゥルム)”やブランデン
ブルク門といった名所巡りをしつつ、ウンター・デン・リンデンを経
てベルリン国立歌劇場へと運んでくれる。所要30分足らず。

ちなみにほとんどのバスは2階建てのダブルデッカーというのも素朴
にうれしかったりする。そんなバスで周りを見回しているうちに歌劇
場に到着する。

ウィーンやミュンヘンの歌劇場に比べると、小ぢんまりとした建物と
の初対面に驚く。それこそ、これがドイツの首都ベルリンの中心とな
る歌劇場なのかと拍子抜け気味というか。確か客席数も1500足らずで
はなかったかと記憶しているが、そういう空間でワーグナーの巨大な
音楽がどのように響くのだろうか。

などと想像しつつ開場時間と同時に劇場に入る。地下のクロークにコ
ートなどを預けて身軽になったところで、プログラムを買ったり劇場
内をぶらついたり……。小さいことは小さいが、実にコンパクトにで
きていることにも感心する。

クロークを出たところに軽食やドリンクのビュッフェバーがあるので
休憩のない『ラインの黄金』開演前に、ゼクトを軽く1杯引っ掛けて
みる。

ぼちぼちかなという時間で2階席に上がっていく。我々の席は4日間
同じで正面やや右寄りの1列目、見晴らしは大変よろしい。ただし、
馬蹄形が狭まった構造なので、ほぼ正面にもかかわらず、体を少し右
に向ける必要があるのだ。

というところで客席の照明が落ちて『ラインの黄金』の開幕である。
                            [続く]

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