共話§待降節独墺旅[18]ドレスデン(一)

[承前]

今回の旅行の中で、ドレスデンにはどうしても行っておきたかった。
『ワルキューレ』の翌朝、大きい荷物はホテルに預けてチェックアウ
ト。ドレスデンから戻ってきても引き続き同じホテルに泊まるのだ。

徒歩でツォー駅に向かい、ドレスデン行きの列車を待つ間に駅中のカ
フェで軽い朝食を済ませた。11時前の列車でドレスデンへと出発。

ベルリンからドレスデンへ列車は淡々と走ってくれるが、途中目に立
つような街や集落はほとんど見ることがなく、ただ寒々しい寂獏とし
た光景が拡がるのみ。2時間ほどでドレスデンのノイシュタット駅に
着く。ここから中央駅まではほんの10分ほど。

列車が緩い左カーブに入ると、エルベ河の鉄橋を渡った。もちろん初
めてのエルベである。上流に目をやると、写真で見知った宮廷教会が
見えた。我々はようやくザクセンの古都ドレスデンに到着したのだ。

重厚といえば聞こえはいいが、鉄骨で組まれたアーチ状の駅舎は真っ
黒に変色していて、一瞬戦前のドイツにいるかのような錯覚に陥って
しまった。

再開発工事真っ最中の駅前からタクシーをピックアップしてホテルへ
と。途中ツヴィンガー宮殿を通ったりしたものだから、気分はいやが
うえにも高まってくる。

チェックインしたホテルはエルベ河畔に建つ、何とも素っ気ない12階
建てだかのビル。ところがかぎを渡されて8階の部屋に入って思わず
二人して歓声をあげた。

↓これは最近の映像だが、訪問した時とほぼ似たような光景
画像

窓の下にはエルベが緩やかに右カーブして流れて行き、河畔をブリュ
ールのテラスが伸びて一番奥にゼンパーオパー、すぐ左に宮廷教会、
そしてその左には、修復の途上で足場に覆われたフラウエン教会まで
……あまりにも見事なパノラマに、荷解きもそこそこに早速お散歩を
開始したのである。しかも抜けるような青空。

ベルリンの一週間が暗い空の下だっただけに、ドレスデンに来て我々
の気分は一気に晴れやかになったのだった。
                            [続く]

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