練話§歌曲のオーケストラ伴奏・・・

個人的にあまり好きではないというものに、歌曲のピアノ伴奏をオー
ケストラ編曲したというのがある。

思い込みであるのは百も承知だが、ピアノという単一の楽器に凝縮さ
れた音楽が、オーケストラのために編曲されると、どうも“もっちゃ
り”した印象になってしまうのだ。ピアノの粒立った音色からすると
異質というか、そこまで色彩を展開することもあるまいと思うのだ。

それで、逆にオーケストラ伴奏をピアノ編曲したものは問題なく聴く
ことはできる。これはある意味で凝縮度が上がるということなのだと
思っている。

だから、例えばマーラーで元々がオーケストラ伴奏歌曲でも、ピアノ
版で聴くほうが好きだったりする。何と言ったらいいだろう。2段目
に書いたことを補足するならば、ピアノの音には行間があるように感
じるのだ。そんなピアノと声が交わることで生まれる緊張感が好まし
いということなのだろう。

ずいぶん前に書いたことだが、シューベルトの『水車屋の娘』の最初
はギター伴奏版だった。声とギターのバランスが絶妙で、さりげない
ギターの音色と水車屋の音楽が見事にマッチしていた。その後にピア
ノ伴奏版を聴くことになったが、聴き始めた当初は、ピアノの音がど
うにもうるさいという時期が長いこと自分の中で続いたのだった。

《オーケストラのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック