弦話§樫本大進BPOコンマスに就任

まさに朗報である。素直に喜びたい。

いわゆる“お試し期間”を経て、楽員による投票をクリアしなくては
ならないのだから、ある意味ではソリストであることよりも大変では
なかろうかと思ったりする。

日本人としては、2009年2月にコンマスを辞した安永徹から、ほとん
ど間をおかずで樫本がコンマスに就任したことに、ある意味でほっと
もしているのだ。

ベルリンフィルように様々な人種が集まった集団で、ことさらに日本
人が日本人がと、大きな声をあげること自体ナンセンスということは
承知で、その上でなお日本人コンマスの系譜が無事に受け継がれたよ
うな気持ちになったのである。

今年の夏だったか、恒例のヨーロッパコンサートはブラームスの交響
曲第1番が演奏された。その時ヴァイオリン・ソロを受け持ったのが
樫本だった。試用期間であってもコンマスのトップに座らされてソロ
を弾かされるという……それは大きなプレッシャーに違いない。

ソロで楽章が終わったところで、隣に座っていたコンマスのブラウン
シュタインがねぎらいの笑顔を投げかけた。実に印象的な情景で、そ
の時も“早く正式採用されれば”と思ったのだった。

彼のようにトップクラスの独奏ヴァイオリニストであっても、ソロ活
動を継続するか、オーケストラに入ってアンサンブルのメンバーとし
て生きていくかという選択を迫られることは珍しくない。それに何よ
り自分自身がソリスト向きなのか、アンサンブル向きなのかという根
本的な問題もあるわけで。

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