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zoom RSS 媚話§新国『トリスタンとイゾルデ』

<<   作成日時 : 2010/12/28 00:01   >>

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大野和士指揮『トリスタンとイゾルデ』初日を聴いてきた。管楽器の
事故は散見されたが、弦楽器は終始丁寧な演奏で、軽めの音色だった
とはいえ、これだけ聴かせてくれれば満足である。

ただし、音楽、歌手、舞台をまとめて“色気”というものには乏しく
て、ある意味では優等生的な模範解答と言えなくもなかった。主役の
声量は十分にあったが、それでも大野のコントロールで声が前面に出
るような気遣いと、オーケストラの聴かせどころとのメリハリもつい
ていたと感じた。細部まで大野の眼が行き届いていたのだった。

よかったのは、最後まで声を保持したトリスタンのシュテファン・グ
ールド。2008年にバイロイトで聴いたテオリンのイゾルデは、相変わ
らず割れ気味の高音に閉口するが、これまた使い減りのしない声では
あったが、ブランゲーネのツィトコーワともどもドイツ語の歌詞が聞
き取れなかったのはどうしたものか。とはいうものの、声楽的には充
実していたと言える。

演出だが、出さずもがなだったと思ったのはマルケ王の手兵達。どう
して『アイーダ』に出てくるような意味不明な衣装だったのだろう。
何かしら、コーンウォールに由来するところでもあるのだろうか。そ
れに踊らずもがなの珍妙な踊りも噴飯物である。明らかに舞台の緊張
感を阻害しているとしか思えなかった。

それに、決定的にマルケ王を老人に設定し過ぎである。トリスタンが
20歳前後の若武者であるなら、叔父のマルケもまた40歳を過ぎたくら
いの壮年であると考えるのが妥当だろう。

驚きのあまりステップに倒れこむような老人に向かって、トリスタン
が後添を働きかけるようなことなどするはずもなかろう。歌手の声が
若いめだったので違和感は大きかった。

第一幕の前奏曲あたりの舞台は、水が揺らめいたりして“美しい”と
思わせるものだったのに、舟が出てきたあたりからすっかり興醒めに
なって視覚的興味を失ってしまったのだ。

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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