流話§無伴奏フルート・パルティータ

バッハの無伴奏作品としては、ヴァイオリンとチェロが特筆して有名
だが、無伴奏フルート・パルティータもお忘れなくと言いたい。

フルートを吹き始めて目標とした曲の筆頭がこれだったりする。無謀
なことは百も承知で、楽譜を手に入れて自己流で吹き始めたのだ。自
己流とはいってもお手本はある。オーレル・ニコレが録音した演奏を
せっせと聴いてはアーテキュレーションの模倣に精を出したのだ。

もちろん技術全般が伴っていないから、吹いているだけで精一杯とい
う次元でしかない。あまつさえ一曲目のアレマンドには最後の最後に
上のAがやってくる。それまでに散々スタミナを使い、唇を使い切っ
ているから息も絶え絶えで、情けない音にしか聞こえないのである。

それでも、アレマンドの持つポリフォニックな魅力には勝てず、特に
その部分を必死になってさらったこともあるのだ。素人の浅知恵であ
るにしても、低音の音符を気持ち長めに響かせてみようとか、そんな
結果としては反映されることはなかったにしても、自分の気持ちを注
ぎ込むという気分だけはあったのだ。

もう長いことフルートを手にすることもなく、だから今吹いたらどれ
ほどの耳汚しになるのかと思う。さすがにバッハに申し訳ないなあ。

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