弁話§ペテン・ザ・ペテン~新橋演舞場~

勘三郎の病気休演でどうなることかと気をもんだ『ペテン・ザ・ペテ
ン』だったが、観てしまえば最後まで楽しんだということである。

三階席てっぺんで2600円というのは映画代に少し足せばというお値段
で、それであれだけ笑わせてもらえば安い安い。

終戦後数年が経った東北の温泉宿を舞台に、一儲けを企む藤山直美、
柄本明、ラサール石井のペテン師三人組が出向いたところ、既にペテ
ン師の先客が……というところで巻き起こるお約束のあれやこれや。

公演が始まって10日過ぎていたので、アンサンブルも固まってきたの
だが、ふとしたはずみに役者同士で妙な笑いが起きるという。それも
また客席から眺めていて楽しい部分なのであるが、今回の発生源は、
ベンガル扮する旅館の跡取りで、渡辺えり扮する、ドサクサで旅館の
女将に納まったとばっちりで疎んじられている復員兵。

彼を見たのは初めてだが、これが妙におかしい。出演者それぞれは、
それぞれのテンポ感といったものがあって、それが微妙にズレたりす
ることで生まれる笑いというわけだが、ベンガルのテンポと役作りも
彼独特なものだった。

ストーリーの結末は、ネタばれになってしまうが映画『スティング』
をヒントにして組み立てられたと言ってもいいだろう。詳しいことは
実際の幕切れを観ていただければである。

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