輪話§江間章子が作詞した『花の街』

江間章子が作詞して團伊玖磨が作曲した『花の街』は、この季節にな
ると頭の中で歌いだす音楽の一つである。

美しく優しい詩とメロディーは日本人の感性にぴったりとはまりこん
でしまっているのだ。

七色の谷を越えて・・・

に始まって、風のリボンが流れていくのだが、その情景が目の奥で動
画として流れていく。そして一番の歌詞では風のリボンが春よ春よと
駆けていったのだが、江間章子は一番の歌詞を“歌いながら……”と
書いたのだ。それがオリジナルなのである。

どうやらレコーディングする時に團伊玖磨が一番も二番と同じ“春よ
……”を使ったということのようだ。作詞家に相談もせずにとは、ず
いぶんと乱暴な話だと思うが、当の作詞家もリアクションすることな
く放置していたという話もあるので、正確なところはわからない。

歌い慣れたということもあるが“春よ春よ”のほうが、すーっと歌い
やすいような気はするのである。

富士山を見れば“頭を雲の上に……”が流れ、夏の海を見れば“海は
広いな……”が鳴り、というように季節季節、そして現在位置などの
状況に応じて、我々の頭の中のジュークボックスは、自動的に見合っ
た歌を流してくれる。我々は長い時間をかけて、自分の中にそういっ
た日本的なる情報を蓄積していったことに気づかされるのだ。

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