縺話§ヴェンダース バイロイトを降板

一報をネットのニュースで読んで、ずいぶんと無責任な話だと思った
ことである。

映画監督のヴィム・ヴェンダースがワーグナー生誕200年にあたる
2013年バイロイト音楽祭の『ニーベルングの指環』演出をキャンセル
したという。去年まで上演されていたドルスト演出も、ラルス・フォ
ン・トリアーのキャンセルを受けての起用とうことであったのだ。

ざっとしたところでは、ヴェンダースが一連の舞台を3D映像で制作
するので音楽祭に350万ユーロを出してくれという要求が容れられ
なかっのでということらしい。

普通に考えれば、そんな金までを音楽祭当局が出すなどとは考えられ
ず、無理難題を吹っかけたところでそれを理由に撤退するという……
あまりにも見え透いた、かなり辛辣に批判しているメディアもあるの
は無理かなるところだろう。

それこそ失われた時間を取り戻すべく、新たに――しかも優れた記念
年の指環にふさわしい
――演出家を探し出さねばならないのだ。この
時点で音楽祭に残された時間の少ないこと! 何を言っても、四部作
を曲がりなりにもまとめあげなければならず、それだけの力を持った
演出家がどれほど存在するだろうかと考えるのである。

そういう意味でヴェンダースは無駄に時間を浪費しただけの人騒がせ
な存在だけだったといことではないか。

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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