擬話§お芝居でなぐるのは・・・

舞台上で相手の役者を殴るシーンがある。拳を握っての殴り合いだと
かなりフェイクが入っているので、あまり迫力はないと感じる。だが
平手打ちのシーンだと“パン!”という音入りだったりするので……

……満場が思わずハッとなるのがわかる。特に遠目で見ているから、
アクションが巧みだと本当に殴っているのではないかと多くの観客が
思い込んでしまうのだ。

これをへたくそな役者がやると、遠目でも空振りしているのがはっき
りとわかる。歌舞伎であるなら殺陣的な要素は様式化しているので、
ハラハラ度は少ないので安心だが。

要するに肝腎なことは、殴る側はもちろんだが殴られる側も紙一重で
かわすことで、いかにも殴られたのだと見せかけられるのだ。

ちょっと困るのは、筋の流れとは関係なく殴った殴られたという演技
ばかりが劇場空間の空気として残って、それにかまけているとストー
リーはどんどん先行してしまっているのである。

そういう状況になるのは、多くの場合流れの中の一発の平手打ちで、
複数とか集団の殴り合いや乱闘シーンではないのだ。

【去年の今日】週話§日曜悠々~本日は直美ちゃん!~

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