遁話§最初は親から逃げる・・・

長男として生まれた。現民法ではもちろん長男の権利であるとか家督
がどーたらとか希薄になっている。

なってはいるが、親とか世間の発想は相変わらず“家を継ぐ”という
意識が大きな割合を占めていた。それにしても、借家住まいの貧乏公
務員という父親から何を継げというのか、そういうことが不思議でな
らなかった。

というわけで、早々に実家のある田舎から脱出することを決意したの
は、十代も前半のことである。先々の展望などあるわけもないまま、
とりあえず心の中の決意表明という程度ではあったのだが。

親にしてみれば、ひよっこ同然の息子がそういうことを考えているな
どとは露知らずで、地元の大学に進学した後は地元の会社にでも就職
するくらいに考えていたことだろう。

親というものは、一見すると子供の意志を尊重するようでいて、その
実自分達の考えるとおりの行動を望んでいるということは早い時期か
ら気がついていたことなのだ。

残念ながら、子供のほうは心ここにあらずで“我いかにして故郷から
逃走するか”ということに集中していたのである。かくして、我が家
を後にしたのは18歳の春。

2006年初冬に父の死で無人となった借家の実家は、親類が後片付けを
してくれた。その後翌年には取り壊されてしまっていた。

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この記事へのコメント

kohatchan
2011年06月08日 13:09
二人の姉に末っ子長男、父が公務員......。大学進学は建前で上京、その後はお茶っ葉のような人生(^_^;。大学はどこでもよく、親が満足出来る”合法的な家出”という作戦でした。
HIDAMARI
2011年06月08日 13:18
おお同志!

同じく合法的家出だとうそぶいておりました。

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