浮話§春の喪失 夏への疾走

2011年は春が喪失したかのようだった。

確かに桜は咲きはし、我々もそれを愛でた。だが気がつけば桜は、い
つ散ったのかというくらい足早に咲き急いでいったような気がする。

そして梅雨までも先を急いでいるような気がしてならない。もちろん
5月中の入梅は2008年にもあったことだから、こういうことを考える
のは人間の勝手な妄想でしかない。何億年の地球の営みからすれば、
こんな程度の伸び縮みは毛先のほどですらないのだから。

そうして梅雨が明けると、今年の夏は疾駆していくのだろうか……。

だが我々は、この年の春先に起きた出来事を忘れはしない。我々日本
人だけではないだろうことは、地震の被害の悲惨さだけではなく、原
発崩壊という強烈な惨事が刻み込まれてしまったからなのは間違いな
いのだ。

被災地の復興が半歩また半歩と進みゆく中にあって、季節が移ろって
いく速度がどうなるのか……夏から秋へ、そして秋から冬へと季節は
どのような姿を我々の前に展開して行き過ぎていくものか。

【去年の今日】湿話§梅雨入りなう

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック