板話§居酒屋と細く長く付き合う

居酒屋好きが高じて数多くの居酒屋本を刊行している太田和彦の最新
刊『居酒屋百名山』(新潮社)を読んだ。

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北海道から沖縄まで、彼お気に入りと思われる100軒を再掲載して
まとめた一冊である。目次を開き、行ったことのある店が何軒あるか
数えてみたところ、4軒しかなかった。まあそんなものだろう。

以前だったら、電車を乗り継いでそういった居酒屋に行くということ
も厭いはしなかった。そうやって長駆呑みに行っても帰りの心配をす
る必要のない体力くらいは持ち合わせていたのだ。

今や、我が家に帰るのに不便でない山手線エリアを東限にして、埼玉
であるとか千葉へと参上して酒を呑むなどということはなくなった。
まあ、正味乗車時間1時間以内というところである。

2006年頃に閉店した小川町の鶴八は太田和彦も通っていたようだが、
閉店したことで百名山に名を連ねることもなかった。そんな鶴八だが
10年以上は愛好していて、折々の酒の肴も頭に入っていただけに、惜
しんでも余りある居酒屋だった。

行きつけはしても、深い馴染みになろうなどとは考えもしていないこ
とで、前にも書いたようにカウンターの端っこ、邪魔にならない場所
座らせてもらえば、それで落ち着くことができるというものなのだ。

鶴八の閉店以来、なかなか気に入った日本酒居酒屋を見つけられずに
いたが小川町に2軒、新宿に2軒……何とかカウンターで静かに呑む
ことのできる店が自分の中で育ってきた。

定年まであと数年、このあたりを大切にして先々も細く長く楽しんで
いきたいものである。

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