懐話§昭和三十年代~衛星中継~

[承前]

テレビの衛星中継が始まった日付は、今でもはっきりと覚えている。
1963年11月23日の早朝のことである。

この日はまだ実験放送ということだったが、テキサス州ダラスから、
ケネディ大統領の動向を知らせるというのがメインに据えられていた
という記憶。

その当時海外からのニュースといえば、日本のスタジオと海外の特派
員が電話でやり取りをするという程度でしかなく、もちろん動画映像
もなしで、せいぜい電送されてきた写真を紹介するくらいだった。

そんな時代にアメリカから衛星回線を通じて生中継するというのは、
驚天動地ともいえるような出来事だったのである。そして、放送が開
始したところで、我々はケネディが暗殺されたという現地からの衝撃
的な報道をリアルタイムで見ることになったのだ。

その頃は宇宙中継と呼ばれていたのが、いつから衛星中継と呼ばれる
ようになったか記憶はないが、その後50年近くというもの、衛星中継
が果たした役割は巨大なものがある。

今では当たり前になってしまった衛星中継だが、50年近くの間に様々
な事象を伝えてくれたということである。政治の変革やスポーツの興
奮、そして日本からは3・11大震災の津波の映像を世界に伝えたのだ。

21世紀に入り、情報伝達の速度はインターネットの普及で、世界中の
情報が瞬時に手元に届くというところまで達してしまった。そして、
問題はといえば、受け手である我々が眼の前にあるおびただしい情報
をどのように整理して実像に迫っていけるかということではないか。
                            [続く]

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