織話§劇場空間と服装と・・・

劇場に出かけるというハレの時間において、劇場空間はハレの場とい
うことになるわけだが、今日において洋の東西を問わず、劇場がハレ
という認識は明らかに薄らいでしまっている。

他人様のことは言えないくらいに自分達自身も劇場に出かける時には
カジュアル度が高くなっていることを白状しなくてはなるまい。

ちょっと前、20世紀も半ば過ぎくらいだったら、歌舞伎見物に黒羽織
をというのが約束だったように、西欧の歌劇場ではタキシードに蝶タ
イが見慣れた光景だったのだ。

もっとも、我々が初めてウィーンあたりの歌劇場に出かけた80年代初
期には、普通のスーツにネクタイ姿で十分な状況になってしまってい
て、タキシード姿はせいぜい新演出上演の初日であるとか、バイロイ
トやザルツブルクのような音楽祭での正装に留まってしまった。

というわけで、不肖我々もあちらの劇場での服装をどうするかは、か
なり長いこと悩みの種だった。それこそバイロイトのような場所のほ
うが楽なのである。

同じ大都市でも、ミュンヘンとベルリンでは服装の雰囲気がまったく
違っていて、やはりミュンヘンのほうが保守的な土地柄らしくシック
な感じでという人々が集まってくる。

ベルリンはといえば、劇場に集まる人間の平均年齢がミュンヘンより
低めに感じられるせいか、カジュアル度は高い。ベルリンフィルの定
期あたりだとノーネクタイなどは珍しくなく、一生懸命にお洒落をと
はり込んでいくと“浮きまくる”という羽目になりかねないのだ。

そして、我が日本の新国立劇場であるが、残念ながらドレスコードが
低め設定で固定化してしまったままのように思われる。

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